小児歯科

小児歯科について

小児歯科の役割は子供の成長や環境に応じた予防・治療を行い、将来において、口中の不具合からくる健康障害やコンプレックスを除去し健康的な成長を見守ることにあります。

小さなお子さんにとって歯医者の治療は恐怖感を感じます。

治療中において、突然の動きによる危険を避けるため体を押さえたり、抑制具でお子さんを押さえる事もあります。

お子さんが不安で泣くこともよくあります。

しかし、当院では訓練されたスタッフがアシストし歯科医師も日本小児歯科学会の認定医が担当し万全を期しております。

  • 当院では日本小児歯科学会の認定を受けた専門医が治療にあたっています。
  • 保護者と話し合った上で個々のお子様にあった治療を心がけています。
  • 子ども達とのふれあいを第一に考えているため普段着にエプロンで接しています。

 

虫歯

最小限に虫歯を除去し審美的にも優れた白い材料で治療しています。

但し虫歯の範囲によっては金属を用いることもあります(御希望によっては白い歯で自由診療も可能です)。

虫歯の進行状態は4段階に分類されています。

しかし最近では更にCO(Caries Obsarvation)といって、ごく初期のむし歯は、経過観察をしながら再石灰化を促す治療が行われています。

段階
症状
CO 歯の表面(エナメル質部)が浅く溶けた虫歯の初期段階の状態。
表面が白濁したり溝が茶色なったりしますが外観上はほとんどわかりません。
C1 CCが進行しエナメル質がおかされて小さな孔があき始めます。
まだ自覚症状は無く検診などで歯科医師により発見されます。
C2 C1が進行しエナメル質をつきやぶり象牙質までおかされます。
冷たいものがしみたり痛みの自覚症状が出てきます。
C3 C2が進行し象牙質の内側、歯髄(神経)までおかされた状態です。
炎症がおきて激しい痛みがおこります。この状況が進行すると歯髄は死にます。
C4 歯の形はほとんど無くなり、歯根だけの状態です。
歯隋は死に歯の痛みは感じなくなります。
歯根下部に膿がたまります。

 

強制治療

小児歯科において、低年齢であったり治療中にどうしても治療を受け入れられず体を動かしてしまう子ども達もいます。

安全な治療のために、その対策としてレストレーナーを使用する場合があります。

以下の写真はその使用例です(モデルのお子様は通常の治療が可能です。撮影用にレストレーナーに入って頂きました)。

治療前にレストレーナーのセッティングをします レストレーナーをセットし治療を開始します
DCF 1.0 DCF 1.0
お子様の身体の動きがコントロールされて安全に治療が遂行されます
DCF 1.0 DCF 1.0

 

早期に乳歯を失ってしまった場合

単に抜き去っただけでは (抜けたままの状態で放置しては) 悪影響を及ぼすケースが数多くみられます。

それは、他の歯の位置関係に狂いが生じる事があるからです。

歯を失ったことによってできてしまったスペースを後続永久歯が生えてくるまでの期間、そのスペースを保っておく必要が出てきます。

そのための装置を「保隙(ほげき)装置」と呼びます。

バンドループ

早期に失った部分にできたスペースをバンドを巻いた歯に取り付けたループによって確保します。

その下から歯が生えてきた時点で撤去します。

bandloop bandloop2

クラウンループ

虫歯の状態などにより乳歯冠をかぶせてその冠(クラウン)にループを取り付けたものです。

基本的な装置の意味合いはバンド・ループと同じ。

crown1 crown2

小児義歯

childteeth咬合機能の回復と保隙(ほげき)という二つの目的で使用する小児用の有床義歯です。

患者自身で着脱が可能です。

 

 

予防

シーラント

奥歯のかみ合う面(咬合面)の虫歯予防法です。

奥歯の深い溝はハブラシの毛先が十分に届かず細菌や食物カスが残りやすく虫歯になりやすい部位です。

この溝を合成樹脂でふさぐことをシーラント(小窩裂溝填塞)と言います。

特に生えて間もない奥歯の永久歯(六歳臼歯)は虫歯になりやすく、この方法で処置すると効果があります。

フッ素

フッ素には虫歯抑制効果があります。

フッ素を歯に直接塗布することによって虫歯予防をはかるという方法です。

生えて間もないほど予防効果は大きいと考えられます。

トレー法とは
トレーの中にフッ化物溶液をしみこませた濾紙などを入れます。

そのトレーくわえさせることによりフッ素を歯面に塗るという方法です。

フッ素塗布は歯科医または歯科衛生士が行います。

生(は)えて間もない歯は、歯質が未成熟であるため虫歯にかかりやすい傾向にあります。

この時期の歯質は反応性が高いためフッ素を取り込みやすくエナメル質の耐酸性を高めることができます。

従って、歯の生える時期に合わせてフッ素を塗布することにより、虫歯予防が期待できます。

エナメル質にはハイドロキシアパタイトという無機質結晶が存在します。

虫歯菌の産生する酸は、このハイドキシアパタイトを溶解(脱灰)します。

しかし、フッ素を応用するとハイドロキシアパタイトが、耐酸性のフルオロアパタイトに変化します。

このため歯質が強化されて虫歯にかかりにくくなります。

フッ素塗布は、歯の萌出直後に行うと、最も効果的です。

次の年齢で行うことが望ましいと思われます。

年齢
対応
1歳児 乳歯の前歯は、ほぼ萌出済みです。
この時期に乳前歯のフッ素塗布を行うと、3歳児に多い上顎前歯の虫歯をかなり抑制できます。
2歳児 第1乳臼歯まで、ほぼ萌出済みです。
第2乳臼歯の萌出が始まり、虫歯になる頻度もこの時期から高まります。
3歳児 母子保健法に基づいた歯科検診が行われます。
この検診と併行してフッ素塗布を行うことは大変有意義です。
6歳児 第1大臼歯を虫歯から守ることが重要です。
この時期に萌出する第1大臼歯の予防は、お子さんの将来にわたり口腔環境を左右します。
7歳児 第1大臼歯を目標として塗布を行います。
新たに萌出した前歯部もフッ素塗布の対象とします。
12歳児 この時期に萌出する第2

 

咬合誘導

①写真下顎の側切歯の萌出スペースが不足気味です。

通常下顎側切歯の萌出時に下顎の乳犬歯咬間スペースの増加が起こりますので、萌出スペースは確保されるかもしれません。

もし萌出スペースが足りない場合はスライスカット(②写真)をして萌出スペースをつくります。

child_kami1

写真①

写真②

写真②

スライスカット施術例

A

A

B

B

C

C

 

心理

当院では初めて治療に来院されたお子さんには「治療の練習」と称する治療シュミレーションを行います。

治療をよりスムースに行うための練習プログラムともいえます。

「治療の練習」の心理学的背景についてご説明します。

子どもが治療を嫌がる事はよくあることです。

保護者と歯科医師が協力して子どもの気持ちを理解することが大切です。

小児歯科に長年携わり多くの症例から子どもが歯科治療を嫌がる理由としては次の項目が挙げられます。

過去の治療による恐怖経験
歯科治療に限らず予防接種や内科診療などで不安や痛みを経験し医療に対し恐怖感を持ってしまった。
診療者の接し方
威圧的、強制的な態度に子どもは恐怖感を持ちます。
保護者の接し方
過度に思える子供への配慮や逆に無配慮,無関心など
精神的な不安定さが子どもの協調性、適応性や忍耐力を低下させ不安に陥れます。
周囲の人から恐怖感を煽(あお)られる
親兄弟や友人などから歯科治療は相当に痛いものだと聞かされる。
低年齢児
3歳未満の幼児は歯科医師とのコミニユケーションがとれません。
見慣れない環境におかれ、より不安な心理状況に陥ります。

上記の如く、子供たちは歯科医療を受けようと来院するだけで不安や恐怖感を持ってしまいます。
当院では心理面から子供たちの不安や恐怖感を取り除くためにいろいろな工夫を実施しています。

1)アニマルセラピー

アニマルセラピーの項をご参照下さい

2)ユニフォームについて

子供たちとのふれあいを第一に考えているため普段着にエプロンで接しています。

3)治療環境

子供治療用イスの隣には保護者用イスが設置してあり、また周辺にはかわいいぬいぐるみなどがディスプレーされています

4)「治療の練習」実施

歯科治療のまねごとなどを行い治療に対する恐怖感を取り除きます。

診療者と子どものコミュニケーションを図ります。

心理的には、この「治療の練習」を通じて多くの効果を得ることになります。

「シェービング法」「モデリング」「系統的脱感法」「オペラント条件付け」等々

5)子供とのコミュニケーションの取り方

診療者にとりまして一番大切な項目であると認識しています。

子どもの治療による忍耐への賞賛、ストレスへの癒やし等を通じて信頼を得ることが大切です。

 

歯ぎしり

歯ぎしり(歯軋り)は、睡眠中に軋音を発生するものです。

習慣性があり、睡眠の妨げとなる場合があります。

似たようなものとして「くいしばり」があります。

歯周病患者にとりましては歯周病悪化の原困ともなりえますので注意しなけれぱなりません。

歯ぎしりの原因としては次のようなことがあります。

■心因性、ストレス性によるもの

潜在的なもの、心理的なもの⇒ゆううつや不安など。

■習慣性によるもの

生活環境、職業によるものなど。

■内因性、咬合性によるもの

噛み合わせの異常や顎の変位、不適合の金属冠など。

■爪噛み・髪噛み

心理的アプローチをしています。

 

虫歯予防のポイント

シュガーコントロール

糖分にはいろいろな種類があり、一般に知られる糖分には砂糖(ショ糖)、果物に含まれる果糖やブドウ糖などがあります。

糖分の含まれる食べ物や飲み物を摂取しなければ、むし歯になりにくくなりますが健康的な食生活を維持するためには摂取しないということは不可能なことです。

シュガーコントロールで重要なことは三度の食事以外にとる間食の回数です。

間食の回数やその内容に気をつけることです

飲食を開始すると、プラーク中のpH(ペーハー)値は酸性になり脱灰がはじまりますが、 飲食後しばらくすると唾液の成分による作用で再石灰化されます。

このような現象から、虫歯予防のための飲食については間食の回数は出来るだけ少なく、就寝前の飲食は避けるこ

が重要です(就寝中、胃や腸などの臓器も休養がとれ、翌朝の朝食を美味しく摂取できます)。

 

プラークコントロール

効果的なブラッシング

一般的な虫歯予防に最も効果的な方法はブラッシングです。

効果的なブラッシングによって、プラークを除去することです。

飲食物の残存物が歯に付着したまま放置されると虫歯菌が加速度的に増殖します。

とくに就寝中は、だ液分泌量が少ないため、歯のエナメル質から溶け出したカルシウムなどが補われません。

ブラッシングのポイントは食べたら磨く!ですが・・・・

個人の生活リズム、習慣、ブラッシング技術、食べ物の嗜好などを考慮し無理なく効果的に長く続けられる方法を提案しています。

 

保隙(ほげき)装置の役割

乳歯は物を咬むという働きの他に後になって生えてくる永久歯の出る場所をとっておく働きを持っています。

乳歯に大きな虫歯があったりして歯冠がくずれてしまっていたり、早く抜いてしまったままになっていると、6才頃に口の一番奥に生えてくる6才臼歯(第一大臼歯といい、これは永久歯の中で1番最初に生えてくる歯です。

この歯は前の方に動こうとする性質を持っています。)がだんだん前の方へずり寄って来ます。

そして将来永久歯が全部生えそろう時期になって、その生えるのに必要な場所が足りなくなってしまいます。

永久歯の方は場所のあるなしにかかわらず成長し生えてきますから、場所が足りなくなって歯並びが悪くなって、八重歯になったり、乱ぐい歯になってしまいます。

そこでこの6才臼歯(第一大臼歯)が前方へ移動してくるのを防ぐ為に、保隙装置を入れるのです。

歯並びだけでなく、歯が無いために発音が充分に出来なかったり食べ物が食べられなくて好き嫌いができたりすることがあります。

「子供の入れ歯」といわれる保隙装置は保隙だけでなく、それらの機能も同時に回復する役目を持っています。

保隙装置の種類
本院では大きく分けて固定式と可撤式(取り外し自由なもの)と2種類のものを用いています。
名前だけ挙げてみましょう。
●固定式
クラウンループ
バンドループ
リンガルアーチ
●可撤式
いわゆる子供の入れ歯です
取り扱い方
1)固定式のもの
これは歯にセメントで固着させてあり、取り外しできませんが、キャラメル、モチ、ガムなどの様な粘着性のものを食べさせると、
はがれてしまう恐れがあります。
2)可撤式のもの
これは入れ歯と同じ取り外し自由です。
毎食後歯を磨くとき取り外して歯と同じように磨いて下さい。
お子様が嫌がっても2~3日でなれますから必ず入れていて下さい。
装置を入れたあとの注意
保隙装置を入れた後は管理が大切です。
歯を抜いた所に永久歯が生えてくると保隙装置を削ったり、とりはずしたりしなければなりません。
当医院では治療完了後約半年に一度ずつ定期健診を行い、その際にお口の中のレントゲン写真を撮り永久歯の発育の状態を見て、必要ならば保隙装置の適切な調整を行っています。
合わなくなったりこわれたり、或いは外れたりしたら、すぐお電話下さい。
すぐに修理調整を行います。